スタジオマンよ、永遠に
俺はリハーサルスタジオのスタッフ、いわゆるスタジオマンという人間で、深夜にたった1人で働いている
みんなが寝静まっている時に色んな事が起こり、苦悶している時がある
今回は昨日のゴンザをお届けしようと思う
昨日、深夜でスタジオの掃除をしていたゴンザレスはある事に気がついた
ドラムのバスドラムのタムマウントのパーツの動きがおかしいのだ
(タムマウントってのは、大きいタイコからニョキッて伸びて、ちっちゃいタイコに繋がってる金属の棒みたいなの)
一度タムマウントを外そうと思い、外そうとするも、外れない
バスドラム側のボルトが曲がってしまい、力技でどうにかするしかない様子だ
力を入れ、引っこ抜く
するとどうだ、バスドラムから抜けたマウントは勢いを付け、そのままゴンザレスの額に直撃したのだ
痛い、めちゃくちゃ痛い
しかも、ボルトの先のナットの溝がボロボロになってる
というか、痛すぎ、クソ痛すぎるんだが...
とりあえず、ダメそうなボルトとナットの交換を...
ない...交換用のパーツがない...
嘘だろ?
すぐさま機材倉庫の隅々まで探すが、やはりない
(困った...明日も早い時間から予約が入ってる...)
約1時間格闘し、何とかあり合わせのパーツで凌ぎ、ドラムセットを普通に使える状態までに持ってこれた
パーツが無いというのは、かなり冷や汗を掻かされることだが、これ以上に怖い事が同時進行に起こっていた
ちょっと前の記憶やその時考えていた事がすぐに飛んでしまうのだ
そう、これは推察の域になるが、先のタムマウントと額の激突により、軽い脳しんとう状態になっていたのだ
いや、それ以外に考えられん
本当にシャレにならない位に額は痛むし、仕事に支障が出るくらいに記憶が飛んだりしてた
というか、思考回路がショート
おっぺろぺっぽっぺー!
今となっては少し収まったが、下手したらぶっ倒れてたんじゃ無いかな?
兎にも角にも、俺はドラムを愛し、その愛は非情にも打撃技という形でドラムから返される
そんな愉快な事が日々スタジオでは起こっています
まぁ、それが楽しいんだよね
スタジオマンよ、永遠に